カービングスキーだからといって、滑り方が極端に今までの滑り方と違うわけではない
審判員 吉田幸一
(1980年スキー技術選優勝、元全日本デモンストレーター)吉田幸一

 カービングスキーなどのスキー用具の進歩によって、以前だとターンの前半などはほとんどがずれでターンに入ってきているのが今のカービングスキーを使うことによってよりシャープな滑りになってきていることは確かだと思います。下位の選手もそれなりに技術アップをしてきて上位の選手との差が非常に少なくなってきているのではないかという気がします。ただその中でも上位選手はより丸い弧、スキーの滑走性を生かした滑りをしているような気がします。特にカービングスキーを使うメリットがある大回り系についてはメリットが多いと思うのですが、その中で山田卓也選手や柏木義之選手の大回りの滑りは非常に無駄のないシャープな滑りをしていたのではないかと思います。

 この大会を通じて、多くの人に理解してほしいのは、基本的な部分では、カービングスキーだからといって、滑り方が極端に今までの滑り方と違うわけではないと考えています。スキーにただ乗せられるのではなく、スキーに働きかけをしていかないとスキーはうまく回ってくれないと思います。新しい技術を研究しなくてはならないということはなく、基本的なスキーに対する運動を理解する必要があります。カービングだから上手く滑れるのではなく、一定技術レベルになれば、カービングスキーの特性を生かすことができ、より安定したシャープな滑りが可能になるということを一般の方にも理解していただきたいと思います。

 カービングスキーも難しく考えてしまうと扱いづらいものになってしまう。サイドカーブがきついことによって雪面の捉えがよく、抵抗がもらいやすくなって回転しやすくなっているということを理解していただきたい。あまり難しいことを考えるよりは、この点を意識のどこかにおき、今までと同じようなフィーリングで乗っていったほうがより扱いやすくなると思います。