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Camping
キャンピングにおける知識として覚えておきたい”快適さ”の正体。


 キャンプサイトで『快適』と答える人は、何度位の気温や湿度を想定しているだろうか? 人間が快適と感じることは”熱環境に対して満足を表明できる状態”という定義がある。具体的には、以下のような状態である。

 快適とは...『暑くもなく、寒くもない状態』と答える人が多い。しかし、暑がりの人もいれば、寒がりの人もいたりと、個人差もあるのは確か。同じ環境でも快適と感じる人もいれば、不快と感じる人もいるということになる。そこで、便宜上8割方以上の人が”不快ではない”と感じれば、快適と判断することになっている。
 また、人間は温度環境の変化によっても、それぞれの状況に合った快適さを感じる。例えば冬に寒い戸外(5℃)から家の中(20℃前後)に入ったとき、夏の炎天下(30℃以上)から家の中(28℃以下)に入った時など……不快感から開放されたという安堵感や期待感から、充分な快適感を得られるのである。

暑さ寒さの原因とは?  暑さ・寒さ、といえば誰もが気温のことを思い浮かべる。しかし、人体が感じる暑さ寒さの感覚は、気温の高低以外に多くの影響を受けている。
 人間は、食物からエネルギーを採りいれ、対流・輻射・蒸発の3つの方法で、体熱を放散しながら体温を一定に保っている。それらの方法で熱を放散するために、6つの要素が必要となる(下記図参照)。
人側の要素 代謝量(運動量)・着衣量
環境要素 空気温度・放熱温度・気流・湿度
 気温は皮膚表面への熱の受け渡しに影響し、気流は皮膚表面での熱の受け渡しが多くなり、蒸発も多くなる。湿度が高ければ、蒸発が妨がれる……といった具合だ。このように、実際には、さまざまな要素が絡み合った結果が”快適性”という訳である。また、さらに騒音、色彩や明暗など快適性に与える影響は大きいと言われている。
体感温度とは?  空気を含めたその場面での平均温度ということ。たとえば、テント内の温度が30℃でも、テントの壁や天井の温度が20℃と低いのならなら、体感温度は25℃ということになる。
 逆に、テント内の物が20℃の場合でも、テントの壁の温度が15℃なら、テント内の温度が25℃でないと同じ体感温度にならない。これが、空調のきいた室内の場合、急速に暖めるたり、冷やしたりすると……熱のむらも大きく、気流も発生し、不快感は上昇する。
体感温度は、単純には下記のように式で表わすことができる。 

体感温度=(室温あるいは気温+壁や天井、あるいは周辺からの輻射温度)÷2

気温だけでは判断できないのである。 余談だが、本来なら気温25℃で十分に快適なのだが、30℃になったことで冷房を始めると、気温が25℃に下がってもまだ暑く感じる。そのため、22℃の設定する……室温22℃、壁30℃で、体感温度26℃となる。しかし、そのうち壁や部屋のなかの家具も冷えてきますから、気温が同じだと、体感温度はどんどん下がっていくことになる。これが冷房病の始まりである。

 さて、体感温度にとりわけ大きく影響するのが風の強さである。アウトドアシーンにおいて、風の有る・無しとでは、同じ気温であっても体感温度が全く違う。具体的な数字を挙げると、乾燥空気の場合、体感温度は風速1mごとに 1度以上も低くなると言われる。例えば、気温10度で風速15mの風が吹いていた場合、人間の体には氷点下5度近い寒さを感じることになる。
 空気が湿っているときは、乾いている場合に比べると、かなり寒く感じますし、日射がないときは、同じ気温でもさらに寒く感じる。

不快指数、そして高温ストレス指数とは何か?

 晴天で快適なキャンプ場でも、ひとたび天気が崩れると、気温が下がり、吹きつける風も強くなり、日射が無くなり、空気も湿ってくるから、体感温度はどんどん下がってしまう。冷たい雨の中の行動で、手袋、靴、衣服の中が濡れ、そのままでいると、体の熱量が奪われ疲労も増加する。過去の遭難例では、春先で気温はさほど低くないのに凍死したという例もあるくらいだ。

 また、同じ気温でも、湿度によって暑さの感じ方が変わる。天気予報でよく耳にする『不快指数』とは、この気温と湿度による体感温度を表したものだ。その不快指数は、以下の式で計算できる。

不快指数 0.81 × 気温 + 0.01×湿度×(0.99×気温-14.3)+46.3
 この計算で出た数字が75を越えると約10%の人が不快に感じ、77を越えると半数の人が不快、80を越えると65%の人が不快。85を越えると100%の人が不快に感じるという指数となる。
(例) 気温30℃ 湿度80% の場合、
不快指数 0.81 × 30 + 0.01 × 80 ×(0.99×30-14.3)+46.3
24.30 + 12.32 +46.3
82.92

 小数点以下を四捨五入して、不快指数は83%となる。熱と湿気は”高温ストレス”という形で、人体の肉体的な活力にマイナスな効果があると医学的にも立証されている。高温ストレス指数の測り方は、欧米では軍隊の野外活動における基準として、さまざまな方法がある。3つの測定温度それぞれのある比率の総合計を計るWet-Bulb-Globe-Method,“WBGT”、大気温度と相対湿度を基に計算する“熱指数”が有名である。
(注:熱指数に関してはhttp://www.usatoday.com/weather/wfront.htmに詳しい。)

 また、アウトドアシーンにおいては休息時でも1時間に50cc、普通に歩いたり、軽い運動で500cc、激しい運動で1000cc程度の水分が放出される(フルマラソンなら2〜3000ccもの水分が失われる)。そうした汗が水蒸気となって、衣服内の湿度を高めていけば不快指数、熱指数はおのずと高くなる。
 汗の水蒸気が衣服内にたまり、結露と呼ばれる状態ともなれば、乾いている状態の約23倍もの速度で体内の熱失われる、というデータもある。欧米に比べて湿度の高い気象条件を持つ日本のアウトドアシーン。キャンプ場での快適性を保つ工夫を凝らそう。


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