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真夏のアウトドアシーンで気をつけたいのが熱中症だ。


熱中症とわかったら、可能な限り早い処置をしよう。
 熱中症とは文字通り”熱に中る”という意味で、暑熱環境で発生する暑熱障害や熱症の総称で、一般的には熱射病、日射病、熱ケイレン、熱失神、熱疲労といった症状で知られている。この熱中症の原因は、気温の上昇にともなう熱波により、高齢者に起こるもの、幼児が高温環境に放置されて起こるもの、高温環境での労働やスポーツ(アウトドア活動)で起こるものとに分類される。
 本格的な夏を迎えて、新聞やテレビのニュースなどで『熱中症……』という言葉を多く耳にしている向きも多いはずだ。昨年、気象庁が20年振りに『平年並み』の基準を更新し、日本の平均気温が上がったことは知られている。同時に、厚生省は熱中症を原因とした死亡率も上がってくるというコメントも出している……。

 実際、労働中に起こるものについては、以前に比べ減少してきているとも言われたが、都市部のヒートアイランド現象などにもよって、再び近年増加傾向となっているという。また、スポーツやアウトドアシーンにおける報告も、依然として死亡事故が無くならない状況にあると専門家は指摘している。また、熱中症は”無知と無理から生まれる”と言われ、十分な体制があって始めて危険から防ぐことができる。
 スポーツあるいはアウトドアでの活動は、体内から大量の熱を発生するため、それほど高くない気温(摂氏20℃前後)でも発生したりすることがある。それは、30分程度の短時間でも発症するというデータもある。熱中症に対しては、かなりの危険性があること、予防に注意をはらう必要があるということを理解したい。

 熱中症は、軽い症状しか見られなかったものが、適切な処置や手当を講じないでおけば、急速に重症へと進むので注意したい。ちなにみ、医学的には治療方針をたてる上で、以下の3つの病態に分類している。ただし、暑熱障害や熱症の分類や用語については、はっきりとした定義付けが困難なところがあり、症状をどれか1つに絞るということはしないのが普通だ。
 いずれにしても、以下の熱中症の諸症状に際した場合は、適切な対処を行いたい。これも、アウトドア・シーンにおいて知っておかなければならない知識なのである。基本的に、気候が良いからといって長時間の野外活動は程ほどにしておくことが大切である。

熱中症の諸症状と、その対処方法
軽度障害 (体温の上昇は通常みられないもの)
熱痙攣
(heat cramps)
 運動中に多量の汗をかいて、水分(電解質の入っていない)のみを補給したときに起こりやすいとされている。
 多量の発汗にともなった塩分(Na)喪失性脱水が、発症させる機序とみなされており、筋肉の興奮性が亢進して、四肢や腹筋などに痛みをともなった痙攣を起こす。
 ときとして腹痛や嘔吐がみられることがあるが、全身の痙攣は(この段階では)みられない。塩分濃度0.9%の水分(スポーツドリンクを含む生理食塩水)を補給し、涼しいところで安静にしていれば治るものとされている。
熱失神
(heat syncope)
 運動をやめた直後に起こることが多いとされ、脈拍が速く弱い状態となり、呼吸回数の増加や顔色が悪くなる。場合によっては唇がしびれ、めまいや失神などを起す。
 運動中は、筋肉の収縮がポンプ作用をして、末梢(手や足の先)から戻ってくる血流があるが、運動を急にやめると、この作用が止まってしまい、立った状態では、血液が下肢(下半身)の方に停滞し、一過性に脳血流が減少する。スポーツをする上でウォームアップと同様に、クールダウンが必要なのは、このためなのである。
 また、直射日光の下で動き回り、発汗による脱水と末梢血管の拡張を起し、相対的に全身への循環血液量が減少し、めまい、失神などが起こる……日射病(sun stroke)熱失神のカテゴリーに入る。この場合は、涼しいところで衣服をゆるめ、安静にしつつ水分を補給すれば通常は回復する。
中等度 (体温の上昇がわずかであるもの)
熱疲労
(heat exhaustion)
 発汗があり、体温上昇もわずかであるものを「熱疲労」と呼ぶ。脱水及び塩分不足によっておこるもので、全身倦怠感、脱力感、めまい、吐き気、嘔吐、頭痛などの症状があらわれる。発汗が多く、血圧の低下、頻脈(脈の速い状態)、皮膚の蒼白が起こる。
 涼しい場所に運び、衣服をゆるめ、安静にして寝かせて、水分(塩分濃度0.2%程度のもの)を補給すれば、通常は回復するとされている。
高度障害 (体温の上昇が高度なもの)
熱射病
(heat stroke)
 体温上昇が高度で、発汗がみられず、中枢神経障害を含めた多臓器不全(体内で血液が凝固し、脳、肺、肝臓、腎臓などの全身の臓器の障害)を伴うのが熱射病(heat stroke)である。しかし、スポーツや運動が誘引となった熱射病では、発汗が止まっているとは限らない(確認できない)ので注意したい。
 発汗による脱水、循環血液量の減少に続き、皮膚の血管の収縮によって、身体から発生した熱が体表面から放散が困難となって、体温の急速な上昇で脳にある体温調節中枢にまで障害が及んだケースである。体温の上昇の程度、症状が起きてからの時間経過によっては多臓器不全をも起こし、死亡確率も高くなる。異常な体温の上昇(40℃前後以上)、意識障害、吐気、めまい、ショック状態などを示す場合もある。
 この場合、発症現場での迅速な冷却処置が重要となり、発症から20分以内に体温を下げることができれば、確実に命を救うことが出来る目安といわれている。意識が無い、反応が悪い状態でも、冷却を開始しつつ救急車を呼ぶか、集中治療室のある総合病院や救急救命センターへの搬送を行いたい。

 また、(財)日本体育協会では、スポーツ指導者に向けて以下のような「熱中症予防8カ条」を提示し、熱中症予防「WBGT測定計」の販売も行っている。

1 知って防ごう、熱中症 上に書いてあるような熱中症について良く理解することが大切としております。
2 暑いとき、無理な運動は事故のもと 暑いところ、湿気の多いところ、風にないところ、直射日光が直接当たるところなどが要注意です。休息・水分の補給が大切です。
3 急な暑さは要注意 運動の初めに急に暑くなったら、要注意です。暑さに慣れるために、徐々に運動量を増やすようにしましょう。
4 失った水と塩分、取り戻そう 汗は体温を下げる作用があります。発汗が多すぎますと脱水症になりますから、こまめに水分をとりましょう。そして、この水分に塩分(0.2%)も少し追加しましょう。
5 体重で知ろう、健康と汗の量 運動の前後で体重を量って、体重減少が2%を越えないようにしましょう。
6 薄着ルックでさわやかに 夏は軽装で風通しの良いものを着ましょう。炎天下では帽子を被りましょう。
7 体調不良は事故のもと からだの具合が悪いときは運動を控えるようにしましょう。
8 あわてるな、されど急ごう救急処置 熱中症の人がでたら、落ち着いて応急処置を行いましょう。そして、必要なら早急に病院に転送しましょう。


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