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カービング対応化が、2001/2002 スキーブーツの潮流となるのか?


 ここ3〜4年の間に定着したカービング対応スキーブーツは”スキー操作のしやすいブーツ”から”スキー性能を活かすブーツ”へと進化したアイテムと言われる。もちろん、従来のスキーブーツもスキーの性能を活かす...という機能は備わっているのは当然のことだが、カービングスキーという新世代のギアの登場によって、ブーツの新たなる進化を即したと言って良いだろう。

 カービングスキーに対して、従来タイプのスキーはフレックスは硬く、サイドカーブも絞られている形状ではない。そのため、スキーのフレックスのみならず、ひねりや押し出しといった操作(スキーをズラすための)が必要である。そのため、スキーのトップ部分への荷重がしやすく、テール操作のしやすいセッティングのブーツが必要といされていた。

 一方のカービングスキーは、スキーが持つ回転性能を高めたため、ひねり出しや押し出しといった操作の必要性は低くなった。したがって、効率良くサイドカーブにパワーを伝達すべく、体軸をターン内側に傾けるフォームが誕生したという次第だ。そういった事をふまえると、従来型ブーツとカービング対応ブーツの形状は、以下のように比較できる。

従来型のスキーブーツ
スキーのトップ部分に荷重しやすくするために、踵部分を高く、傾斜角を大きくしている。
ひねり操作に対応すべく、シェルサイドは比較的低めの形状。
カービング対応スキーブーツ
スキー全体にパワーを伝達できるよう、踵は低く、前傾角は少なくなっている。
大きな内傾角に耐えるように、サイドの剛性は強く、かつシェルサイドは高めの形状。
COURSE JAPAN BLUE  以上の点を踏まえると、スキーヤーならば”ブーツの前後方向のフレックス”が鍵と気になるのではないだろうか? スキーのターン始動期、ブーツはサイド方向に倒れて内傾角(角付け角)を深くしていく〜その際、ねじれ剛性の高いブーツほど雪面をホールドする力が高く、スキーはたわみやすい。さらに、ターン後半になるとブーツには重力と慣性力が加わり変形する。

 ブーツに必要とされる剛性は、ここで必要となる。しかし、必要以上にブーツの剛性が高い(硬い)と、スキーヤーは適正なポジションをとることができなかったり、スキーからの反発力を次ぎのターンにつなげることが難しくなってしまう。結果、ターン前半はサイド方向の剛性に優れ、ターン後半は張りのあるしなやかな感じを受けるブーツシェルであることが要求される。

 したがって、単なる試し履きにおいて”硬い・柔らかい”といった感覚だけでブーツを選んではいけない。さらに、実際にスキーをする条件とショップ内の試し履きとでは、気温や気象条件がまるで違うため、ショップでの印象がそのまま雪上で……という訳にはいかない。
LANGE L10 Banshee ZD \74,000 カービングスキー時代に向けて誕生した、Bansheeの名を冠するラングのデモモデル。●三井物産スポーツ
SALOMON COURSE JAPAN BLUE  \オープン価格。 競技イメージのCOURSE RED に対してデモモデルは、このブルー。●サロモン&テーラーメイド
CYBER FR-1
REXXAM FZ-97 \69,000〜 インナーのタイプだけで4種類ある国産の雄。スキーブーツ内でのポジションはオフセットという、独自の機構を持つ。●隆祥産業
HEAD CYBER FR-1 \オープン価格。HEADスキーにも採用されたXフレームをソール部に採用。●エイチ・ティ・エム・スポーツ・ジャパン

  さて、カービング対応スキーブーツといっても、その登場はスキー史をなぞらえば、従来のスキー技術の延長線上にあるもので特別なものではないことを知っておこう。しいて言うのならば”従来のスキー操作以上にスキーヤーの挙動を出せるブーツ”ということである。つまり、より積極的に身体を動かして有効なパワーをスキーに伝えることが可能、ということである。
 実際、スキーブーツの基本構造や設計理念が変化した……という訳ではないのだ。プラスチックシェルのスキーブーツが一般化したのは70年代。以来、ブーツメーカーが模索していた、そのあるべき姿に気がついたと考えても良いだろう。

 とは言うものの、カービング仕様と銘打ったスキーブーツは多く登場している。その特長とは以下の様に要約される。

加圧状態におけるフレキシブルな前後方向への動き(足首の柔軟性)。それに対するサイド方向への高い剛性のシェル。それにともなうレスポンスの向上。
ブーツ内における、つま先〜かかと部分を水平化したポジションで荷重コントロール性を重視。

 考えてみれば、従来のスキーブーツも、そうでなくてはいけない……と考えるスキーヤーもいる。その通りである。ブーツの剛性も、その中に収まる人間の足があってのこと。同じブーツを履いたからといって、同じような感覚を持って、同じに滑ることはできないのである。やはり、ブーツ選びは現物合わせ。実際に履いてみなければ判らないのである。

 さて、スキーにおける怪我は膝から下の脚や足首が大半という、古いイメージである。それは1970年代初頭までのこと。これは、スキー操作のしやすい用具の進歩と共に、怪我の要因も転倒時のものではなく、滑走中にバランスを崩してのものというデータがある。 したがって今後は、より膝(とくに前十字靭帯)への負担を軽減するようなテクニックと、それに伴うスキーブーツの開発が要求されるとのこと。


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