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Kaigai
北米ナンバー1のスキー場・ヴェイルは、1度だけじゃ物足りないところだ!

 21世紀初頭、北米大陸の半分は積雪地帯という状況になっている。昨年末もNEWSで話題となったが、五大湖周辺及び東海岸北部の都市部でも12フィート以上(約3m60cm)の積雪を記録したというから尋常ではない。幸いにして、昨年の12月に2度の道路閉鎖となったコロラドのハイウェイも、現在のところ通行できるようで、帰国できなくなった日本人スキーヤーの話は聞かない。(逆に日本国内では相応の事態が東北の一部で起きたのだが……)
 おかげで、北米のスキーヤーは雪不足に悩むことなく、バックカントリーでパウダーを存分に満喫しているに違いない。北米でスキーというと、バンフといったカナダ西海岸に出向く日本人スキーヤーは圧倒的に多い。実際、渡航にかかる時間やツアー料金の面で気軽に行ける。しかし、安ければ良いのか? という考えは過去の話で、多くのスキーヤーは質的な面を欲してるから海外スキーに出かけるというのが結論である。アルペンスキーと呼ぶからには、本場はヨーロッパ・アルプスであるが、北米西海岸のスキーエリアだけと比べるのは酷というののではないだろうか?
 北米大陸にあるスキー場は600とも800ともいわれる。バックカントリー、あるいはオフピステともなれば数をカウントする気にならないほど広大なエリアが存在している。そんな中でも、常に全米N.O1として認められているのがコロラド州ベイルスキー場である。ヴェイル・スキー場自体も7つの広大なバックボールがある。
 その全米N.O1とは、集客数やスキーエリアの広さが問題ではない。「スキーをするのなら何処が良いか?」というアンケート結果、他のスキー場関係者、リゾート開発の専門家といった各方面の意見をふくめて”最優良スキー場!”と評されるのがヴェイルである。 ベイルは、コロラドの州都デンバー市内から西へ100マイルほどいった場所で、周辺にはキーストン、ブレッケンリッジ、カッパーマウンテン、アスペン/スノーマスといった著名なスキーがある。丁度、ロッキー山脈の東に位置し、合衆国のほぼ中央にある。
 その魅力は、最初からウィンターリゾートとしてのヴェイル・ヴレッジを計画的に誕生させたことにある。スキー場へのアプローチから関連施設(自家用飛行機のために近接させたイーグルエアポートもある)といったインフラの整備、エリア間をスムーズに結んだコース設定、リゾートタウンとして計算された街並み……北米各地のみならず、世界中のリゾート開発のお手本(ウィスラーはベイルを手本に開発したと公言している)となっているという完璧さである。有名人の別荘が数多くあることでも有名で、スキー好きで知られるフォード前大統領宅もある。
 それだけに、世界各国のスキーヤ−が訪れることでも有名だ。たとえば、ヴェイル・スキースクールのスタッフは総勢1500名を越えるとか。グループ・レッスンよりもプライベートが多いという事情がある。PSIA(全米プロスキー教師協会)の資格を持った日本人教師、児童心理学の博士号を持った女性教師、元USスキーチーム・メンバー(日本でも人気のあったシンディ・ネルソンもいる)と。スキースクールだけとりあげても超1流と言って良いだろう。

ベイルスキー場の規模
リフト・ゴンドラ数
コース最長距離
最大標高差
シーズン
30
7、2km
1015m(ヴィレッジ2500m、ヴェイルマウンテン山頂3430m)
11月〜4月中旬

 ベイルといえば近接したビーバークリークも同じ経営母体のスキー場で無料シャトルバス(6AM〜0AM運行)で繋がれていて「ベイル/ビーヴァ−クリーク」と表記されるのが正しい。ヴィレッジ内の道は一方通行の周回路となっていて、一般車両の通行は不可としている。交通インフラの好例として、リゾートのみならず、見習いたいシステムだ。また、前述のブレッケンリッジとキーストンも1997/98シーズンにヴェイルに買収され、それまで以上に便利なシャトルバス(こちらは有料)が運行され便利になっているのだ。


スキーリゾートの誕生は1963年、ヴェイルとは人の名前だった……。

 村にスキー場を作ったのではなく、スキー場を作ってから村を作った。ヴェイルは、そんなスキー場である。ちなみに、1番最初の宿泊施設が誕生したのは1962(昭和37)年の事であった。元々、ヴェイル周辺は合衆国陸軍の訓練施設があっただけであったが、いまで言うところのバックカントリーの宝庫であった。かのちで訓練を受けた若者の中には除隊した後は、あそこを滑ってみたいと思う者もいた。アメリカの老舗スキー場といえばサンバレー、アスペンがあったが
「自分たちが滑って満足できるスキー場が欲しい!」
 と、願うスキーヤーは多かったのだ。何も無いブラックゴア峠(後のヴェイルパス)に眼をつけたのは、スキー場創設者の一人であるピート・サイバートだ。第二次大戦での負傷でハンディキャップを負った身体でスキーレースにも参加したという人物である。そんな彼と、地元のアール・イートンは7時間かけて、現在のヴェイル・マウンテン頂上まで登り、バックボールやスキー場として理想的な地形を確認して、スキーリゾートの開発を決意するのは、1957年の春のことであった。後に、地元のハイウェイ工事の総責任者であるヴェイル(ヴェイルパスは彼の功績を称えての命名であった)がスキー場開発に参加。ヴェイル・カンパニーとして、1963年にオープンした……という次第だ。
 我が国でも新たに開発したスキーリゾートは数多いが、ヴェイルほど高い完成度とタウンを形成したエリアを生むにいたっていない。単に”スキーができれば、それで良し”としたスキー場で止まっているように思えるのだが……。ちなにみ、コロラド州立大学ではスキー場経営学で修士号を取得できるなど、スキーリゾートの開発の人材を育成するシステムも完成している。


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