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富士山が世界遺産になれなかったのは、ゴミのため……TV-CMでもお馴染みのフレーズだが、こと世界遺産に認定となると、単に美しい景観や人気だけでは駄目なようだ。
リゾート地として人気のある場所は、世界遺産になりにくいのかもしれない。歴史上、リゾートという概念が一般的になったのは、ここ100年程度の出来事なのである。世界遺産に認定された国立公園内の存在するスキーエリアはままあるが、スキーリゾートが世界遺産に認定されている例はないようだ。
もっとも、スキー史を語る上で無視できない場所は多くあり、申請されている数は多いらしい。「世界遺産」とは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の締約国の政府が、それぞれの国内の世界遺産候補地を世界遺産委員会に推薦したものが候補となる。
そして、世界遺産委員会の依頼により、文化遺産はICOMOS(国際記念物遺跡会議)、ICCROM(文化財の保存及び修復の研究のための国際センター)、自然遺産はIUCN(国際自然保護連合)の専門機関が候補地の評価調査を行うことになる。
その審査は、年1回に開催される世界遺産委員会で審査され、世界遺産リストへの登録を是非するというわけだ。
そういった条件を考えると、リゾート地そのものが世界遺産になるというのが駄目という訳ではない。認定の条件は以下の3点に集約される。
・文化遺産 優れた普遍的な価値をもった記念工作物、建造物、遺跡。
・自然遺産 鑑賞上、学術上、保存上、顕著な価値を有する地形、生物、景観。
・複合遺産 文化と自然の両方の要素を兼ね備えたもの。
認定のための条件は詳細にわたって決められているが、上記の条件でスキーエリア、もしくはスキーに関する場所(人工的な文化遺産を含む)の世界遺産認定も可能かもしれない。
| アルプス山中の世界遺産、その名はセンメリング鉄道.。 |
現在、ヨーロッパアルプス山中唯一の世界遺産はオーストリア・ニーダエステライヒ州にある。1998年に認定された「セメリング鉄道=Semmering Railway」は、1848年から1854年にかけてセメリング峠(標高995m)に建設された”アルプスを越えた初の鉄道”である。
その距離はシュルツシュラーグ〜グロックニッツ間の僅か41km程度であるが、物理的にはアルプス越えの鉄道建設は不可能と言われた時代に成し遂げられたのである。
このセメリング鉄道の誕生によって、多くの人がアルプスの景観を列車の中で楽しめるようになった。そして、沿線にホテルなどの施設が建設され、周辺の町も山岳リゾートとして、その後の発展を遂げたというわけである。
位置的にはアルプスの東端で、チロル州と比べて知名度の点で低いかもしれないが、オーストリアのスキーリーゾートしも知られた存在なのである。
ある意味で、今後各国のスキーリーゾート(スキーエリア)が世界遺産認定となるための指針として見習いたい場所なのである。
・ユネスコ世界遺産HP
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