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温泉を飲もう! でも、飲むからには正しい飲み方で。

 人間の血液中の赤血球中には、酸素を運ぶヘモグロビンというタンパク質が含まれている。その中に鉄分が少なった場合を貧血と呼ぶ。それを防止するには、普段の食生活から鉄分を十分摂取していればよいのだが、体質や体調によって食事だけでは限界があるのも事実だ。

 そこで、鉄分を多く含んだ温泉(含鉄泉)への入浴及び飲泉が効果的となる。また、含鉄泉を飲む(飲泉)ことも効果的とされている。その場合、食後にすることが大前提で、空腹時だと鉄分が胃の粘膜を刺激して胃腸障害を起こす可能性があるからだ。

 一方、暴飲暴食の犠牲となる肝臓の場合は、急性疾患なら抗生物質の投与などの処方があるが、慢性的なものや改善のために温泉治療は有効である。温泉の泉質は重曹泉、ぼうしょう泉、正苦味泉、石こう泉、アルカリ性泉、食塩泉などが適していると言われる。さらに、肝臓のためには入浴よりも飲泉がさらに効果的とのこと。貧血の場合とは逆に飲泉は空腹時……起き抜けの朝食前などに、摂氏42度程度の温度で飲泉すると、胆汁の分泌を促して肝臓の解毒作用を高める。

 ちなみに、飲泉は大体、1回につきコップ1杯程度(200cc見当)の量が適量とされる。また、必要以上の量を飲みすぎると、腹痛や下痢の原因となりかねない。また、なによりも温泉場に明示されている効能書きをちゃんと読むことが大切である。実際、飲泉自体が体質に合わないという人もいるようだ。

 温泉湯治の場合も、最低で数日、数ヶ月と時間をかけて行うことが大切である。飲用も即効性を期待する向きも多いが、大切なのは飲み続けることである。一方で、温泉を天然の焼酎のお湯割り用に利用したり、料理に使っている例もあるようだ。中にはアルコールの分解を促進したり、消化を助ける……という効果もあって好評のようである。

【飲泉の諸注意】
温泉はただ飲めばよいというものではなく、飲用上の注意がある。詳細は、実際に利用する各温泉施設での注意書きを参照にしてほしい。
@ 湧き出した直後の、できるだけ新鮮なものを飲むようにしたい。時間とともに有効成分が失われ、効果が弱くなる場合もある。
A 泉質によって一定の飲み方がある。薄めて飲むもの、症状によって飲んではいけないものがあるので注意したい。
B 一気飲みは避ける。ゆっくり味わうようにして飲む。急に飲むと気分が悪くなったり、下痢を起こす成分の温泉もある。
C 飲泉でも湯あたりすることがある。その場合は量を減らす。
D 1回分は湯呑み茶碗1〜2杯で、1日に2〜3回飲む。泉質別の用法用量をきちんと守る。

【飲用に利用される温泉の種類と、その効用】
炭酸泉
粘膜の血管を拡げる作用があるので、胃腸の運動を促進し、胃液の分泌を盛んにする。慢性消化器疾患、慢性便秘によい。清涼飲料水として使うのにも適している。
重炭酸土類泉
腸内の異常発酵で生ずる余分な酸を中和する働きがある。鎮静、消炎作用もあり、尿酸の排せつを促すので、痛風、リウマチによい。慢性消化器疾患、アレルギー性疾患に適応。
重曹(じゅうそう)泉
胃酸を中和し、胆汁の分泌を高める。慢性消化器疾患、慢性肝胆道疾患、痛風によい。慢性気管支炎、咽喉炎には吸入に用いる。
食塩泉
胃腸の運動を促進するので、「胃腸の湯」といわれている温泉がたくさんある。効能は慢性消化器疾患、慢性便秘。弱食塩泉は刺激が緩和な泉質なので、虚弱児や老人に適している。
硫酸塩泉
芝硝泉、石膏泉、正芳味泉の三つに分けられる。いずれも胆汁の分泌を促し、腸の運動を亢進させ、動脈硬化を抑制する作用がある。「中風の湯」「疵の湯」といわれてきた。肝胆道疾患、便秘、肥満症、痛風、婦人病によい。
鉄泉
炭酸鉄泉と緑ばん泉とがある。貧血や病後の回復期に最適。
酸性泉
薄めて慢性消化器疾患に。
明ばん泉
酸性明ばん泉と酸性明ばん緑ばん泉とがある。酸性泉に準じた効果があり、特に銅などの金属成分を微量含んでいる後者は貧血に効く。
放射能泉
俗に言うラジウム泉。ラドンを一定量含有しているので、吸入療法でリウマチ、神経痛、痛風などに使用する。


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