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温泉王国・日本が危ない? 温泉資源も無限ではない。

温泉といえば豊富な湯量と、掛流しが当然なのだが……。そういった例は少ないからありがたいのかもしれない。
名湯を正しく保護し、子々孫々にまで残す事を忘れずにいたい。
 日本は世界有数の温泉大国で、25,000を越える源泉が存在するとも言われる。その多彩な泉質の温泉地は全国に2,500ヶ所を超し、年間1億数千万人が温泉宿泊施設を利用している。日本人にとって温泉とは天与の恩恵であり、心身の病を癒したり、疲の回復に役立てていた。しかし、乱掘や乱開発、あるいは過剰採取によって温泉資源の衰退・枯渇現象の目立つ危うい温泉地が増加している。

 温泉とは循環型の再生可能資源であり、資源状況に見合った適正利用と保護を行えば、温泉枯渇は未然に防ぐことができるのだが……。本来、温泉とは数千年から数百年に渡って地下を巡ってきた地下水が地熱によって自然に湧き出たものを示すのだが、地下数千mから無理矢理地下水を汲み上げて沸かしても、それを『温泉』と呼んでしまっている。

 そのため、多くの温泉地では、施設の大型化や露天風呂の設置などによる利用量の増大で温泉の過剰採取、乱掘、乱開発を引き起こしている……という報告がある。今現在は豊富な湯量と言いつつも、そおの資源環境に甘んじて無計画かつ無秩序な開発によって枯渇しつつある温泉もあるという。実際、古くから栄えた温泉地ながら源泉が枯れて、昔とは違う源泉から湯を引いているという例もある。したがって、21世紀は温泉の持つ社会・経済的有効性を再評価しつつ、その温泉資源の保護と安定確保のための方策を考えるべき時代と表明する自治体も多い。

 ショッキングな事だが、約170万年前から現在にできた地層が貯留層となっている阿寒湖温泉、川湯温泉、約2,400万年前から約170万年前にできた地層が貯留層となっている弟子屈温泉、十勝川温泉、湯川温泉が調査研究となった。現況調査、貯留層モデルの構築、更にはシミュレーションによる温泉資源動向の将来予測から、現在もまま温泉を利用すれば約60年後には涸渇すると北海道科学技術振興課が結論を出している。また、温泉のある自治体でも『温泉の涸渇』をテーマとした報告をまとめている例も多い。

 今後は、これまで湯量が豊富とされていた温泉が水位低下、泉温低下、泉質変化が顕著に認められるようになるという将来予測は避けられないということである。村起こしとばかり、何でもかんでも温泉を掘り起こせ……という発想は過去のものと呼ぶべき行為なのだろう。温泉という有限の地下資源は、乱掘による枯渇から守るべきであり、それを利用する我々も正しい利用によって心身の疲労回復、ストレス解消、健康増進から疾病の予防、リハビリを含めた治療まで、温泉地の三養(休養、保養、療養)にあやかりたい

 現在利用されている温泉の枯渇を防ぐために、掘削が許可されない特別保護地域を増やし、近年の大深度掘削の時代では、新規掘削は普通と一般地域についても、近くの源泉からの距離を広げるなどの配慮が必要であろう。近場の日帰り温泉は確かに魅力的な存在であるが、無理矢理ボーリングして引っ張り出してきた地下水を”温泉”とありがたがるのは如何なものか?


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