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Snow Talk
連載 トップスキーヤー海和俊宏・渡辺一樹のSNOW TALK

第18回「21世紀初の技術選チャンプは誰?」 渡辺一樹 

 オーストリアでの世界選手権、志賀高原でのワールドカップとアルペンスキーのビッグイベントが次々に終了していきます。僕らが参加する日本のギジュツセンも3月7日から長野県八方尾根スキー場にて開催されます。ジャンプ台でのミレニアム決戦と称された昨年の大会からはや一年、また白馬に技術選が返ってきます。
柏木と白河の3連覇がかかるこの大会、ベテラン・新人が入り乱れカービングスキーを駆使してそれぞれが考えるテクニックを表現しあうこの大会、特に今年はショートターンもカービング化が進み、新種目のカービング小回りも行われる予定になっています。

 舞台となる八方尾根は技術選の聖地とも言われ、基礎スキー選手権やデモ選の時代から多くの名勝負が繰り広げられてきました。この時期の白馬は天候が変わりやすく、雪質もゲレンデ上部と山麓付近では全く違います。ガスや風に悩まされることも少なくありません。これまでの大会もしばしばこれら気象条件の影響を受け、斜面変更を余儀なくされてきました。

 技術選のチャンプになるためにはこういった変化に柔軟に対応していくのも大切な要素と言えるような気がします。今、私は八方にいますが、案の定季節はずれとも思える大雪に悩まされています。ザラメ状になったハードなバーンや黒菱のコブ斜面は全て雪に覆い尽くされ1月頃と同じぐらいの状況まで逆戻りしています。現時点ではこの後どんなバーン状況になるか全く予想がつかない状況となっています。

 前回紹介したように技術選のカービング化が始まって5年余りたっています。今年はほぼ全ての選手が、大回りだけでなく小回りにもそのカービングテクニックを表現してくるのは確実と思われます。マテリアルもそれに合わせて各選手新しいものを持ち込んでいるようである。ロングターン系は180〜185cm程度の長さを使用している選手が多いようで、それらの板には純正プレートがついているものが多いようです。小回りに関しては170cm前後のものを大半の選手が選んでいるようで、短い選手は160cm以下の板でトライしています。しかしコブの小回りに関してはまちまちで、170〜180cmと比較的長めの板でサイドカーブの緩めのものを選ぶ選手と、カービング系の短い板やツインチップ系の板を選ぶ選手など、選手自体も的を絞り込めていないようです。

 テクニック的には舵取り(曲がる部分)は全ての選手がカービングできる能力を持っているのと、板の性能である程度オートマチックに処理できる部分もあるので、大きな差がでにくくなってしまいました。ことしはこのターンとターンをつなぐところの処理の仕方に違いが出てくると思われます。5年前のテクニックとは全く違ったスタイルの滑りで競い合われることは必至といえます。コブのテクニックには大きな違いを見出している選手は少ないと思われますが、整地種目では旧スタイルのテクニックを使う選手とカービングにあわせた身体の使い方をする選手の違いは明確に現れると思われます。しかしジャンプ台などの急斜面では、各選手ともどういった滑りを表現していこうかまだまだ思案中といった感じです。

 技術選には毎年多くのギャラリーが集まってくれます。各選手の私設応援団もたくさんみられ、旗を振って力強い声援をおくってくれます。選手はその声援に応えるように目一杯のパフォーマンスを演じていきます。僕のところにも毎年たくさんの仲間が応援に駆けつけてくれます。ベテランと言われる僕ですがパワーこそ若い選手には劣るものの、テクニックとタクティクスでその部分を埋めていけばまだまだ勝負が出来ると確信しています。僕の今年の勝負どころは小回り系、新しく作ってきた板(アトミック・アークシリーズ)の力を引き出すことが出来れば表彰台に立つことも十分可能です。ジャンプ台で高々と愛機を掲げあげれるように、現在最終調整というところです。正直言ってまだ修正するところは少しあります、ジャンプ台までに後一つ良い感触を引き出せるよう、毎晩頭の中で滑っています。自分の描いたストーリー通りの試合運びが出来るよう、更にテンションを高めていきたいと思います、応援宜しくお願いします。

 技術選では滑り終わるとその場で得点が表示されますが、最近では携帯電話でその時点までの成績が即座に手に入るというサービスも行われています。

 また今年はインターネット放送も行われるとの話です。リアルタイムに近い状況で自宅からも大会が観戦できる時代となってきました。技術選のIT化も少しずつ進んでいます、見て楽しむ技術選の魅力も感じて欲しいですね。毎年ゲレンデ下には各メーカーがテント村をつくります。選手が種目の間に休んだり、マテリアルの調整をしたりする場所でもありますが、それぞれの最新モデルもテント前には出揃います。ニューモデル情報をいち早く手に入れたい方にとっては見逃せない場所です。競技は8・9日と予選、10日に準決勝、そして11日の夕方には21世紀初のチャンピオンが決まります。お時間のある方は是非八方まで足を運んでみませんか?見て楽しむスキーというのもたまには面白いかも知れませんよ。またサイバースキーワールドのメーリングサービスでは、僕が感じたその日の状況を出来るだけ配信していく予定です。お楽しみに!


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